先日、海沿いのコンクリート壁(幅想定80センチ前後、一歩踏み外すとテトラポッド)をとことこと歩くことになった。
そこで、まさかの、
「落ちたらどうしよう」という恐怖に襲われて、脚がガクガクプルプルになった。
普段は「死ぬことすら怖くない」と豪語する私なのに!
いや、あんなちょっと倒れたらテトラポッドのあの細いコンクリートの道(しかも冬。落ちたら寒すぎる)を歩きたいだなんてちっとも思っていなくて、一緒に散歩していた末っ子が、
「ママ、あっちの端っこまで行ってみたい」というもんだから、同行したまで。
なんの気なしに歩き始めたら、
あれれ・・・まさかの動悸が激しくなり、足元がよろける始末。
「え、私、怖いんだ」と自分の意外な面に、自分でびっくり。
トコトコと足取り軽やかに先へと進む末っ子。
同じように追いかけられない、なんせ、脚がガクガクしてよろけているんですから。
ドクドクと鳴る胸をなんとか落ち着かせ、
「そうだ、私には歩く瞑想という手段があるじゃないか!」
と思い立ち、意識を頭ではなく、一歩一歩、歩く動作に必要なものへと、ラベリング。
「歩いています、歩いています、歩いています・・・・」
とはじめた瞬間から、
ふらふらとよろけていた脚の震えも動悸もとまり、普通に歩けるように。
え、嘘でしょー!
いえ、嘘じゃないんです。
私自身の恐怖や不安など実態のない妄想が、今に集中することを邪魔するんです。
と・・・、実践者のつもりでいたけれど、「魂ののぞみ通りに生きる」修行者のつもりでいたけれど、最近自分に集中することを怠っていたかもしれません。
尊敬する恩師がずーーーーっと言い続けていること。
「思考はいとも簡単に乗っ取られる。だから、1分1秒いつでもしっかりとヴィパッサナーして、自分の中心とつなっていることが大切」って。
それはスピリチュアルでもなんでもない、極めて実践的現実的な方法で実現できることだ。
そんなわけで、ヴィパッサナー瞑想の素晴らしさを、改めて体感した、強烈な恐怖を乗り越えた、出来事だった。
恐れは自分がつくりあげた、妄想でしかない。
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