昨日は楽しみにしていた東京シティフィルハーモニー管弦楽団のコンサートでした。
今私がもっとも注目していて、その美しい音色に心を奪われているCateenこと角野隼人さんが、プログラム前半のラヴェルの曲目でピアノを演奏されました。
私は絶対音感もないし、ピアノのことも特段詳しくない。ただ、ピアノの音色がとても好き。角野さん以外のピアニストの演奏を全部聴き比べたわけでもないからもう主観でしかないけれど、4月に聴いたラフマニノフにしろ、今回聴いたラヴェルにしろ、その繊細で美しい指捌きから展開される音色は、現場で生で、五感で直接感じると鳥肌しかない・・・。
もうね、本当に美しいの。同じ人間がなせる技なのかと。一流の表現に触れると、全身全霊全細胞が打ち震える。
実は私は幼少期から高校生の頃まで、エレクトーンを習っていた。
が、本当に弾きたかったのはピアノだった。住まいが集合住宅だったので、騒音の関係でピアノは難しかったから。なぜピアノか。だって、圧倒的に音色が美しい。電子じゃ再現できない、皮膚や空間に振動する圧倒的な音色。
そんなわけで、買ってもらったエレクトーンでも音色をピアノに変更して頻繁にピアノごっこをしていたりして(笑)、心のどこかで、「いつか機会をつくってピアノを習ってみたい」と思うことが、未だにしばしばある。
だって、大人になるまで鍵盤を叩いたこともなく、楽譜もよめなかった大人が「ラ・カンパネラ」を弾けるようになったという、こんな物凄い勇気づけられる話もあるんだし。
今は本当にいい時代になったな、とつくづく思う。どんな人でも表現者になり得るし、YoutubeやSNSを再生すれば、ものすごい完成度のライブパフォーマンスや知りたいことが、大概無料でいくらでもみられてしまうんだから。
その象徴のようなコンテンツが、昨年のショパン国際コンクールだったと思う。会場であるポーランドのワルシャワからなんとコンクールの様子がLIVE配信されていて。あの時は眠るのも惜しくなるくらいに世界で選ばれしピアニストたちの予選を手に汗かきながらみたものだ。
日本からも、今日本でもっとも実力があると言われている反田恭平さんと小林愛実さん(なんと二人は幼い頃から同じ師にピアノを習った幼なじみだったそうで)がファイナリストとして選ばれた。個人的に角野さんのファイナルでのコンツェルトを聴けなかったのはとても残念だったが、それでも、反田さんのファイナルでのコンツェルトは「すごい!」の一言。iPhone越しでもここまで熱量と熱情が伝わってくるのかと呆気にとられた。
同じタイミングでショパンコンクールに夢中になっていたSNSのお友達と連日連夜ストーリーズなんかで感想を報告しあったりして、そんなことも楽しかったし。教えてもらったスペインのMartín García Garcíaの演奏も素晴らしく、彼は結果3位に入賞。感情豊かにとても楽しそうな彼の演奏を聴いていると、場が明るくなってすっごく楽しい気持ちになったものだ。
同じ楽器を使っても演奏者が異なれば曲目の表情や色もガラリと変わる。音楽って本当に豊かで、本当に楽しい。
私が音楽や芸術の道を志さなかったのは評価されることが嫌だったからだけれど(ついでにいうとそれで体育も大嫌いになった)、音楽って本来「音を楽しむ」ためのものでしょう。自由に歌ったり、コンサートへいって五感で音を浴びたり、これからはもっともっと、そういう機会を積極的に増やしていきたいと思う。
浴びた音の余韻に浸って帰宅前にハイボールで1杯だけカンパーイ🍾
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